2022年 大阪:オムツ外し学会《報告❷》
第4講が始まる。
ステージには、第4講担当メンバーの、
松本さん・植さんも揃い、石井くんまで上がってもらった。
休み時間を挟んでも、明らかに会場の空気は、
第3講の「伊藤くんショック」でいっぱいだった。
これは会場参加者とステージが一体となる共感とか、
そんな感じではなかった。
「さっきのアレは一体、何なんだ⁉️」という、
不愉快のような怒りのような悲しみのような感じ。
「取り急ぎ、第3講を言葉にしないとやりきれないね」
【松本さんは、どうですか】
いやあ、スゴいと思いました。
あそこまで、介護を突き詰めていくんですね。
僕にはできません。スゴいです。
【植くんは、どうですか】
スゴいのはスゴいけど、僕たちが毎日やってることですよね。
認知症の人とそうでない人で分けてる自分に気づきました。
【阪井さんは、どうですか】
小規模とか宅老所ばっかあんまり長くやってると、ああなるっちやね。やっぱ、おかしくなるのよ。
【イッチャンは、どうかな】
寝てました。お酒飲んどんちゃう?
【そこの体格良いケアマネ男子は、どうですか】
以前、伊藤さんの現場を見学させてもらって、熱い介護の話を聞かせてもらって、目の前にその実践があって、スゴいなと思ったけど、今日も改めて介護の覚悟を問われたようで、重たかったです。
【後ろから2番目で全然聞いていなかった彼女はどう】
私はこのオムツ外し学会で、明日からまた介護頑張ろう!っていう元気をもらいに参加してるんです。伊藤さんの見てると、元気無くしそうになるから、見ないように見ないようにしていました。
【クメさんが声をかけてくれた】
第4講で伊藤さんの話題をして、アレはみんなと介護を考えるためのパフォーマンスだって言ってくれて助かりました。私は(真剣な)伊藤さんのを見て、(中途半端な)私なんか介護しちゃいけないって思った、介護を辞めなきゃと思った。もっと、考えます。
【今現在、障害:生きづらさを持つあなたは】
許せません。腹立たしさと嫌悪でいっぱいです。伊藤さんは、認知症・高齢者の当事者ではありません。アレは、物真似にもなっていない。見世物ですか。だったら、介護の矛盾を介護職の当事者として、伝えて欲しい。
以上が、オムツ外し学会会場内外での感想です。
正確なところは、ビデオでご確認下さい。
驚きから引き出された嫌悪の感情をそのままにしておくと、
否定や無視ととなり、いずれ無かったことにしてしまう。
これだけ強く引き出された感情を同じ体験をした者同士で、共有を確認し言葉にする。
そこから、考えることができる。
伊藤くんは、身内も含めて自分を曝け出し、オシッコを撒き散らして何を伝えたかったのだろう。
私は、この流れで、聖と俗の話しにすり変えました。
介護だけを純粋に深く突き詰めていく「聖」と、
介護を法律・組織・地域と共に続ける「俗」と、
その行き来のバランスが上手く取れずに苦しむ時期もある。
それでも仕事としての介護を長く続けているとつい、
「私はこんなに上手に泳いでいる」と思ってしまう
ドンドン歪んで行く自分への危機感とストレスが、
押し寄せてくる時がある。
そんな時に、オムツ外し学会を思い出す。
私がドンドン変なになっても、
こんなにも真っ直ぐに介護を見つめている人が、
ここにいるから大丈夫。
ここがあるから大丈夫。
そう自分に言い聞かせてきました。
伊藤くんは、事業も拡大し、後継者育成も進めている、
これからやりたいことも、やるべきことも見えているでしょう。
久しぶりの再会に、大きく成長した伊藤くんを感じました。
このオムツ外し学会で自分のバランスを整えているように見えました。
それぞれが自分の場所に戻ります。
今、あなたは元気に介護していますか