月別アーカイブ: 2023年4月

アンタ一人で頑張ってないかい❓

来月の松リハは高口さんが来てくれます。
「アンタ、一人で頑張ってないかい?」
と現場のみんなに声かけてくれる高口さん。
ときには厳しく、時にはあまーく😄
今回は鶴保朋城さんの「小さな読書会」
とコラボ企画です。
前半は
新刊「認知症の人の心に届く、
声のかけ方・接し方」(中央法規)
に込めた高口さんの思いを聞きます。
後半は「高口さんに直接聞いてみよう」
のコーナーを設けます。
直接なんてドキドキですが、大丈夫!
zoom越しなので噛みつかれたりは
しません。
5/24(水)20:00-
「高口光子がアナタの相談にのります」
企画)松リハオンラインサロン&小さな読書会
参加費3000円(サロンメンバー無料)
お申し込みはこちらからどうぞ!http://peatix.com/event/3571418

殴るオヤジの介護は大変です。

殴るオヤジの介護は大変です。
2月19日 3月12日の投稿の続きです。
オヤジさんは、病院を退院して私たちの施設に戻って来ました。
再入居前の会議で、
「ぜひ、戻ってきて欲しい」という職員は、
 一人もいませんでした。
「私は、絶対に嫌だ」と言い切る職員もいませんでした。
「とにかく退院して下さい」という病院の勢いと、
「病院は嫌だ。施設に戻る」というオヤジさんと家族の思いで
戻られた退院=再入居でした。
職員は、歓迎するでなく拒絶するでなく、無視も愛想もない感じで、
「バカ・ブス・しっかり面倒みろよ」と車イスに乗って大声出してる
オヤジさんを受け入れました。
再入居前と同じ毎日が、始まりました。
介護職員たちの、介護が変わるわけではありません。
相変わらず叩かれ、嫌なこと言われ、
大きい声でケンカするのが精一杯、
「人を叩いちゃダメ❗️ご飯を投げない❗️バカって言う人がバカ❗️」
なんて言ってると、奥さんが、
「ケンカしてもイイけど、興奮させて大変なのは、あなた達でしょ。
 もう少し、要領良く上手にやってくれないかしらねぇ」
とか介護主任に「チョット、イイかしら」と長い時間「お説教」される。
アレって苦情⁉️嫌味⁉️……なんかイヤだよね❗️
とか言いながら、オヤジさんの介護は続きました。
(あんな人死んでしまえばいい)
この介護主任の言葉を聞いた介護職は(私も同じ)と感じました。
それは日常会話にはなりませんが
大嫌い!と感じていい。大嫌いと言っていい。
ケンカしたっていい。だけど、関わり続ける。
それは、一人じゃないから。今のままで終われないから。
この思いが職員をつなげて行きます。
オヤジさんへの真っ暗な思いを一緒に働く職員に伝えた後も、
現場は変わらぬ毎日で、今まで通りの介護が続くことは、
職員の落ち着きになりました。
上手な介護も、優しい介護も、心を込めた理想の介護も
できないけど、
私たちは、縛らない、閉じ込めない、薬で落とさない介護を続けた。
それは、オヤジさんの日々を重ねる者の仕事でした。
ただ、それだけでした。
そして、数年の時が経ちました。
オヤジさんは弱り、食べなくなりました。老衰です。
『バカ」の声は耳を寄せないと聞こえ難くなり、
投げるつもりのお碗は、手からこぼれ落ちます。
殴る腕、蹴る足は空振りでした。
頬はこけ手足は細りお腹が腫れて以前の面影は強い目つきだけでした。
担当医より、いつ亡くなられてもおかしくない状態と説明がありました
奥さんは、オヤジさんの部屋に泊まり込むことにしました。
繰り返し様子を見に来る夜勤。
できるだけ起きて座って普通に入るお風呂。
好きな物を好きなだけ食べる食事介助。
希望通りパンツにこだわり、トイレに行く排泄。
オヤジさんに丁寧な介護を繰り返す職員を間近に見る奥さんから、
「私もやってイイかしら」と声をかけられ、
介護職員のスズキは「すいません、助かります」と笑顔で応える。
私はオヤジさんはともかく、
介護職を傷つけた奥さんを許せないような
気持ちでいました。
それを介護職は、助かりますとか、
ありがとうございますとか言ってる。
介護をくぐり抜けた同志になってる、すごいなぁ。
そんな日々があって、
オヤジさんは皆に見守られて亡くなられました。
介護職たちが泣く、奥さん・家族より泣く、
スズキなんて号泣だから。
前の施設で一番叩かれた介護職員が駆けつけて、
しゃくり上げて泣く。
私は「お疲れ様でした!」のご挨拶しか出てこない。
何で、そんなに泣くの❓
「そんなのわかんないですよ。
とにかく、手に負えなくて、手が掛かったんですよ」
介護職というのは、すごいなぁ。
スズキくんは、どうなの❓
「ホントにもう嫌だ❗️と思うこともあったけど、
 ここまで来たら最期までやってやる❗️っていう意地でやって来た。
 今、オヤジさんを皆と見届けて、意地が自信になった気がする」
シッカリ介護すれば、より近しい人間関係を持ち、
その人を思うからこそ思い通りにならない現実を持ちます。
何とかしてあげたい、しなければならない、
でもどうにもならない時に、私の中にある「暴力」を使うこと、
それが「身体拘束」です。
(いなけりゃイイ)(死んでしまえばいイイ)と暗い心を持った
私だけだったら使っていた「暴力」を
私たちだから使わなかった。
これが、プロの介護の自信と誇りとだと、
介護職スズキは言いきりました。
「介護は一人ではできない」
これを知っているのが、仕事としての介護です。
オヤジさんの介護に管理者として何とも苦しい時期に
施設が職員が『身体拘束=暴力をしない』とはどういうことかを
説明してくれたのは、上野さんの講義でした。
オヤジさんの介護で職員を支えていたのは、
奥さんである家族の理解と応援でした。
それが、職員を苦しめるほどの威圧になったのは、
家族は、介護を返して!オヤジさんを返して!と思ったんだろうなぁ。
と、わかりやすくヒントをくれたのは、三好さんでした。
今、職員たちは、
介護で行き詰まったり、困ったお年寄りで追い込まれても、
あのオヤジさんを最期まで、
(暴力を使わず=身体拘束廃止)でやりきったんだから、
「なんとかなる❗️」と声に出して介護をしています。
意地 見栄 体裁 なんてモノで日々の現場を積み重ねて、
やってられないけど・やるしかないなんて 何度も話し合う
そして、お年寄りは生きて死んでみせる。
お年寄りは、
私たちのちっぽけな、意地見栄体裁を自信と誇りにしてくれる。
そのお年寄りの名前を私たちは、忘れない。
こんなふうに介護職は、働いていきます。

にぎやか26周年イベント【報告】

https://www.youtube.com/live/XbhsPFMg1kw?feature=share

阪井由佳子さんは、26「周年」を26「執念」と、
言っていました。
人を思い、その人にしてあげたいことを私がする。
困っている人を互いに支えきる。
それが介護と言いきっていました。
職員が自分の介護に気づき、思いを持って、行動する時に、
その介護を潰してしまうのは、
・目の前の人より時間を優先すること
・思いから考えるに至ってもないのに文字にすること
・来るか来ないかわからない明日の為に今ここを見失うこと
これらのことだと、長い大規模病院の勤務から学んでいました。
時間・記録・計画に追われて、介護が作業になることを
私たちは、知っています。知っているけど、
業務が終わらない・法律で決まってる・社会に説明できない
などと理由付けして、また同じことを繰り返す。
大規模病院で、もう死んでしまう人に、
時間割の中で、決まりきった経過記録をつけながら、
無いはずのリハビリ目標を計画して、
筋力増強訓練を私たちはしていました。
阪井さんは、それが嫌でダメで許せなかった。
もう、言い訳はしない。自分の責任でやりきる。
それが、にぎやかの設立です。
「時計を見るな」「記録を書くな」「計画を立てるな」
そして「業務をするな」という指示には、
「介護をやりきる」という
阪井さんの反省・後悔・覚悟・希望の表れです。
これを自分の名前一つの責任で小規模としてやり通すのは、
並大抵のことではなかった。
自分の名前で介護を守るきる小規模運営は重い歩みとなる。
まさに「信念」を超える「執念」でした。
その阪井さんを支えていたのが「富山型」です。
「富山型」というのは、
地域支援を共生という見方考え方で整え、
制度・経営として確立した実態ある取り組みです。
「富山型」の仲間が阪井さんを今も支えています。
そして四半世紀の時が経過します。
純粋は素晴らしいけど、付き合いにくい。
純粋はとても正しく人を傷つける。
阪井さんも職員さんも、しんどそうでした。
それは、にぎやかにとって「介護の純粋」は、
決死の覚悟で戦い抜くものではなく、
「普通のこと」になったからです。
添付のYouTubeをご覧いただけると若い介護職、
小雪さんがそれを報告してくれています。
小雪さんは、介護の専門学校を卒業して、
実習で知ったにぎやかがいいなと思って、そのまま入職します。
彼女に阪井さんの怒りと後悔は理解できません。
何故なら、
社会人になって最初に出会った上司が阪井さんだからです。
「介護の純粋」は最初から「普通のこと」でした。
阪井さんは闘う介護から、育てる介護に方針転換します。
方針転換というのは、
間違っていたとか、否定されたということでは、ありません。
守るべきを守り、変えるべきを変える。
今までの25年から、これからの25年を見据えて、
経営者:阪井由佳子が判断したということです。
この阪井由佳子さんをシッカリ見て頂きたいです。
よろしくご覧下さい。
https://www.youtube.com/live/XbhsPFMg1kw?feature=share