例えとして、決して良くないかもしれないけれど
例えとして、決して良くないかもしれないけれど、
様々な事情で、
長期になる施設入居を続けている お年寄りは、
水槽の中に、暮らしているように感じるときがあります。
決して還ることのかなわない、大きな海を
願うように 祈るように思いながら 暮らしています。
私たちは、
水槽の時間が空間が、
少しでも 長く大きくなるように 働きます。
どこにかあるはずの海を思い描きながら 仕事をします。
海の水は 空気は 食べ物は そこに泳ぐ出会いとつながりは
どんなモノなのだろう。
思い描くばかりで、これで良し!
と思えたことはありません。
施設の仕事は、頭の中で その人だけを思って作り上げた
やっぱり「ウソ」なのかなぁ。
でも、「ココ」じゃないと 死んでしまうかも。
施設しかできないことは、きっとある。という思いと、
ホントは、ウチに帰りたいよね。という思いと、
もしも、施設なんかなかったら ウチに居れたのかなぁ。
とも思う。
頭の中で、思うように考えたことを言葉にして、
私たちは、何度も 話し合います。
グルグルまわるばかりの私たちを
今日のご飯の美味しさ、
今日のお風呂の湯気の温かさ、
今日のお手洗いのスッキリが、
今日一日の私たちを支えてくれます。
「こんなになって、
家に帰るなんて 思いつきもしませんでした。
思いついても あんた達が一緒って、言うてくれんなら、
思いきれませんでしたな。
また、ココに戻れるから、家に帰れますもんな」
今日は、念願の自宅に帰る「外出企画」です。
行ってらっしゃい☺️