今夜は、おじいさんの お通夜でした。
おばあさんは、職員と一緒に 参列しました。

最初は、おばあさんが、一人で歩けなくなって
二人暮しが とても大変で 私達のところに 来てくれました。
夏の暑い日も 冬の寒い日も 風も 雨も
バスを乗り継いで 毎日 毎日 毎日
おじいさんは、おばあさんに 会いに来ました。
いつも おばあさんばかりが、喋って
おじいさんは いつも ニコニコ黙って 聞いていました。
職員は、声をかけました。
「毎日、来なくても大丈夫だよ。疲れてる時は 休んでよ」
「二人しか おりませんからね」
おじいさんは 弱ってきました。
癌だと ご本人も おばあさんも 親族の皆さんも 私達も
みんな 知っていました。
そんなことより どうしたら二人が 毎日 会えるかが、
一番 大切なことでした。
おばあさんに 会うための デイでした。
二人が そばにいるための ショートでした。
入居のおばあさんと、ショートのおじいさんは、
一緒の部屋で過ごしました。
食の細いおばあさんが、
イチゴなら食べると言いました。
私が食べると、じいちゃん喜ぶから、
食べなきゃねとおばあさんが言いました。
おばあさんが元気に なるために
イチゴ企画を職員は立てました。
イチゴ企画でたくさんイチゴをおばあさんが食べました。
その次の日に おじいさんは、逝かれました。
おばあさんは 今夜は疲れたので もう 寝ます。
おやすみなさい。