『にぎやか25周年記念イベント』
上野千鶴子さんが、介護保険を説明した。
介護保険制度は、その財源を 税と保険料の折衷とした.
創設当初は、イギリス ドイツを参考にした過程もあったが、
この税と保険料の2つを財源にした現行は、
日本独自の世界中のどこにもない仕組みです.
介護保険の良い所・悪い所を
戦略(制度) 戦術(運用)戦闘(現場実践)の
視点から整理してみましょう.
《戦略(制度)》
受益者負担⇒介護を受けた人がその費用を払う
強制徴収 ⇒介護保険料の納付は、国民の義務
この制度導入により、
『介護』は、措置から契約 恩恵から権利となり、
「アリガタイ」と一方的に与えて頂戴するモノではなくなった.
『介護』は無料の「ただ働き」ではなく、
価格がつく労働となった.
嫁がやって当然!という風潮を変える.
『介護』を市場に置くことで、
適正化:適正価格を 利用者から
見出していくことができるはずと考えた.
この強制徴収というのは実質、増税とみなすことができる.
この背景には、年金制度が前提→中産階級の高齢者の
購買力の高さがある.
なので、低所得者対策が手薄となりやすくなった.
そして、地方分権の推進
住民参加の保証 なんかも 制度の基盤にあった.
《戦術(運用)》
『介護』を自宅で、家族だけで行うところには、
現金給付をする!
これだけは、阻止された.
サービスとしての『介護』は公共財となり、
準市場での価格管理には、
一般市場における需給法則は、作用しきれないままとなる.
そして、家族は、何より安いサービスを選ぶ.
「安いサービス」は「安い職員待遇」となってきます.
事業者と利用者の対等な契約の正しい理解と、
行政の監督責任のバランスの確立が取れていない.
現在の事故と苦情対応の困難性は、
ここから来ているのだろうか.
事業者間競争を引き出す事としたので、
より良い経営を考えない経営者のところは、
職員が大変となり、疲弊する.
「介護は、お金だけじゃなくて、目に見えない報酬を
もらっているのだから、給料が安くてもイイよね」
コレは、経営ではない.
身体介護と生活介護では、生活介護の方が低価格.
低所得者の利用抑制.
要介護認定制度のおかしさ.
ケアマネがケアプランを作成する制度を
持っておきながら、
利用者の希望=ケアマネの裁量を制限するのは、
おかしい.
そして、「量」として少ない『介護』は、
施設志向の強化という形で充足されて行く.
そして、高齢者住宅の乱立.
施設が、開設されるスピードに人員が追いつかない.
介護労働市場の崩壊.
結果、世間が不況の時は、介護入職があるものの、
好況となると介護に人が来なくなる.
といった現象を作る.
《戦闘(現場実践)》
施設,事業所が 次々と数として増え、
職員の人数が 追いつかないという現実.
現場は、介護職の育成・多職種連携で乗り切ろうとする.
しかし、離職率も 非正規雇用率も 変わらず高い.
結果、熟練職員と中間リーダーの不足状態が続いている.
職員に 夢・希望・感動を与えて介護現場に引き止めるような
人事管理術が 優れた指導者として求められるようになる.
【提案】
①要介護認定制度を廃止して、
何よりも利用者本人の意向=ケアマネジャ-の
マネジメントを持って、現場の裁量権を高める.
②介護職の給料を せめて看護師と同等にする.
③家族に代わってとか、家族と同じ ではなく、
家族にはできない プロの介護を確立する.
④誰かを頂点にした、ヒエラルキーを持たないチーム
この介護保険の説明から、数年を経て、
今回の『にぎやか25周年記念イベント』でした。
ぜひ、YouTubeをご覧下さい。
https://youtu.be/hL8CtBDQ-Ek
私は、緊張して、何もお話しできませんでした。