介護職員の為の職員研修をして欲しい
介護施設の事務長さんから、
「介護職員の為の職員研修をして欲しい」と、
依頼がありました。
もう少し詳しく、
職員研修を開催する動機、講師への要望などを
直接、伺ってみました。
事務長さんの研修動機・要望をまとめます。
看護師・リハビリ訓練士・栄養士・相談員・ケアマネは、
それなりに自分の意思を持って発言・提案をする。
介護職からの発言・提案は、殆ど無い。
仕事(ケア)または、利用者(お年寄り)に対して、
介護職は思いや考えがないのか、意思がないのか。
何か思うことがあっても、勉強していないので、
自分の考えを言葉にできないのか。
このままでは、
ウチの施設の介護は、判断・決心とも、
他からいわれてやる受け身の介護となってしまう。
ここをどうにか変えて行きたい。
とのことでした。
この職員研修のオーダーを受けて、
当初、私は手元資料を使って、介護職が、
言葉として介護を受け止め、
表現できる為の講義を計画しておりました。
実際に研修が始まり、
参加者皆さんの発言をグループワークで引き出してみると、
「介護職の私が、意見が言えない」ではなく、
「この施設では、意見が言い難い」ということを言います。
そこで、講義のテーマを
「介護職は、何故、やりたくない介護をやりたくないと
言えないのか」
に変更致しました。
【やりたくない介護】→急ぐ、慌てる、無視する介護
納得できない・嫌な介護
いわゆる集団処遇
「皆さんは、やりたいない介護をやりたくないと、
何故、言えないのですか?」
①ここの介護に慣れきってしまい、
疑問にも思わなくなっている。
② どうせ、変わらないと諦めている。
③思い・考えを言いやすい人・言い難い人がいる。
迷っているうちに、
言わなくてもいいかと思ってしまう。
④下っ端の介護職が、言ったりしてはいけないと思う。
⑤皆、我慢してやりたくない介護をしているのだから、
自分も我慢しなければと思う。
⑥やりたくないとか、おかしいとか言ったら、
もっと悪いことにならないか、責任取らされないか不安。
⑦他の人や職種がどう考えているのかわからない中で、
自分の知識に自信がないので、間違っていたら相手に、
なんて思われるのか、わからないので言えない。
以上が今回の研修で、
各グループワークから発言頂いた内容です。
続けての講義では、
私たちの現場では、利用者の気持ちも大切だが、
それと同じく関わる職員の気持ちも大切だと言うことを
人と人との相互性をもって伝えました。
「介護する人が、嫌だなあ・怖いなぁ・せわしいなあと
思って食事介助しても、美味しくないよね。
そんな入浴介助でお風呂入っても、落ち着かないね。
それで排泄介助されても、嫌だよね。
だから、
お年寄りが生きてて良かったと思ってもらうには、
職員がここで仕事できて良かったと思って介護できる
現場じゃないと無理なんだよ。
それくらい介護職の影響力って、大きいんだよ」
《自分(介護職)の気持ちは大切なんだ》
と介護職が、知って欲しい。
この研修終了後、担当者と、
研修の振り返りをしました。
その振り返りをもって、今後の研修計画を
以下に見直したいと提案させて頂きます。
よろしくご検討下さい。
《研修テーマ》(案)
11月 やりたくない介護をやりたくないと
私たちは、 何故、言えないのかを考える。
介護職(自分)の気持ちを大切にすると、
介護が変わることを知る。
12月 できる・できないではなく、
私のやりたい介護を言葉にしてみる。
何故、私は、やりたい介護を見失ったのか。
そもそも、私に、やりたい介護などあるのか。
1月 私が、やりたい介護をやらない・できない理由を
私以外の人と話しながら、整理する。
やりたい介護を実践しないままでいると、
お年寄り・職員はどうなってしまうのかを想像する。
2月 やりたい介護をやり通す為に必要なことを
自分に求められる知識・技術として書き出してみる。
施設・上司・仲間に求めることを言葉にしてみる。
3月 やりたい介護をやり通す為に、必要なことを
私が手に入れる為に私は何をするのか。
そこまでして本当に、
やりたい介護を手に入れたいか、自分に聴いてみる。
11月の研修内容と職員反応を捉えて、
12月以降の研修(案)を考えてみました。
ご検討下さい。
よろしくお願い致します。
コロナ前は、写真のように、
職員研修といえば、グループワークが殆どでした。
今は、コレをWEBでやらにゃいかんから、
なかなか大変であります🤓
写真にご存知の方は、いらっしゃいませんか❓